【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊦
「私今まであんまり男と続かなかった」
「え?」
唐突に話し出す美菜に視線を向ける。
その顔は少し泣きそうで、なんだか美菜じゃないみたいに感じた。
「唯一長かった奴には浮気されるしね…」
「…あ」
それは悠士君の前の彼氏。
「私男見る目、ないのよ…」
「そんな事…」
「悠士とは他の奴らみたいに、終わりたくない。続きたい」
だから、せめて料理くらい出来たら気が引けるかもと言った美菜は多分、不安なんだ
悠士君の気持ちが見えなくて、不安なんだ…
でも…
「悠士君は美菜の事、好きだよ?」
だって見てたらわかるよ。
美菜を見る悠士君の顔で。
そういうのって、本人には伝わらないのかな…
だから人はみんな、言葉で伝えるのかもしれない。
「…今はそうでも、料理も出来ないんじゃ、すぐ飽きられるって…」
「…え?」
何…それ?
誰がそんな事を…?
「…地元の奴に言われたの」
そう話す美菜は力なく笑うだけだけど、それって違うと思う。