【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊦


「おっはよーんっ」


1月ももう終わるというある日、学校に登校して来た美菜は機嫌が良かった。


「おはよ」


そう告げれば、彼女はにこにこと私の前までやって来た。



「彩音!ありがとう!!!」


ガシッと私の手を取り満面の笑み。
…多分、上手くいったんだと思う。


昨日、美菜は“今日悠士に特訓の成果を見せる!”と言っていたのだから。


「良かったね?」


「…お前マジ迷惑だったわ」


隣にいた柾樹が不意に言う。
その顔はげんなりって感じ。


まぁ、練習の度に柾樹に大量の料理、食べてもらってたから…ね?


「柾樹君にも今度食べさせてあげる!」


「いらねーよ」


ハッと乾いた笑みを零す柾樹にいつもなら、突っかかる美菜も機嫌の良い今日は違った。


「はぁー私、バレンタインも手作り頑張るから、彩音一緒に作ろう!!」


「いいよ!」


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