【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊦
「…私の事怒ってるんじゃないの…?」
「え?」
突然の妃芽の質問に美菜は驚き顔を見つめる。
妃芽の瞳は真剣だ。
「あぁ、さっきね…悪かったわ…」
美菜が急に謝った事により、妃芽は困惑して何を言っていいか分からなくなった。
「彩音にも怒られちゃった…もう過去の事なのにね。私ちょっと昔の事思いだしちゃって…少し八つ当たりしたの。ごめん」
さっきの気の強い美菜とは違い、少し申し訳なさそうに謝る美菜。
「……いえ、私も悪いから…」
「彩音には幸せになって欲しいからね…もちろん柾樹君と」
美菜は笑顔でそう言った。
その言葉には妃芽も“そうですね…”と小さな声で呟いたがそれは、美菜には届かなかった。