【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊦


その言い方はまるで…


「…妃芽ちゃんと知り合いだったんですか?」


そう思わせる。


…それ以外ない。


私の出した答えに朝井さんは少し違うかなと言った。



「初めは妃芽だとは、気付かなかった」


「…え?」


「妃芽は幼なじみだったんだ」


幼なじみ…?


私はただ朝井さんを見つめて聞いていた。


「お互い好きだった。まだガキだったから付き合ったりはしてなかったけど」


「…」


「妃芽の両親は仲が悪くてさ。…父親はDVだったんだ」


「そんな…」


初めて聞かされた事実。


その言葉を聞いて思い出すのは、翼の事。


だけど、親からなんて…


私の両親は仲が良かったから、そんな事には無縁だったけど。


身近に感じる暴力。


…私は妃芽ちゃんを、可哀想に思ってしまったんだ。


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