【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊦
「……聞いたんでしょう?」
「えっ?」
「…浩太に」
朝井さんの事を“浩太”と言った妃芽ちゃんに、朝井さんには私には見せない“浩太”の部分があるのだと思った。
「…ごめんね…なんか探るような事して…」
申し訳ない気持ちでいっぱいになって、頭を下げて謝る。
「ううん。私も本気で柾君を好きな彩音ちゃんの邪魔しちゃってごめんね…」
…本気で好きな…?
妃芽ちゃんの言葉にひっかかり、真意を聞こうとした時
「…私柾君に浩太を重ねてたんだ…すごく不純な想いだよね…」
そう言ってフッっと自虐的に笑った。
そんな妃芽ちゃんに何も言えるはずがなくて…
無言になる。