酒の名たるや



おお、だから求めまい。


酒に流されても求めまい。


魔王の座を選んだのは自らの選択、今更後悔など持ってはならぬ。




「だから誰も抱かないよ」




喉に焼けつくような毒を飲んでも、きっと最期まで酔い切れまい。


それが哀しくまた空しい。



だから魔王よ。


心までとは言わずもその身体を目一杯の毒で満たして。





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