君想 ~友達から始まった恋~
「俺も」
愛菜に真似て、言ってみる。
嘘じゃない。雅也と離れたのは事実だ。別に違うクラスでも何が変わるってこともないけど。
「雅也くんと離れちゃったんだ…」
「ああ。」
「じゃあ一緒に行こうよ」
そう言って莉緒は俺の手を握った。
…今の俺、絶対顔赤いな。
そう思いながら
「…ああ」
と呟いた。
「顔赤いよ?大丈夫?」
突然愛菜の顔が近付いてきた。
バレないようにそっと顔を背け、素っ気なく返す。
「気のせいだろ。…早く行こうぜ」
「うん!そうだね」
そう言って、お互い教室に入った。