君想 ~友達から始まった恋~
「えっと…私の席は……ここか♪って莉緒と離れてる…」
愛菜の席は3列目の一番後ろの席で、俺は一列はさんんで窓側の一番後ろ。
「…いや結構近い」
愛菜が言うほど遠くない。むしろ俺的には近くて嬉しいんだけど。
しかし愛菜は全く納得してないようで、「遠いよ!この一列邪魔だなー」と本気で怒り始めた。
愛菜のそんな顔を見ると虐めたくなっちまう。
「…何?そんなに俺と近いほうがいいわけ?」
「別に~?」
まあ愛菜にはあっけなく返されたけど。
と、その時俺の視界に愛菜が映らなくなってしまった。
「原田巧っす。よろしこ~」
「あ、うん。よろしく…」
「ッチ」
どうやら俺と愛菜の間の席の奴らしいが…かなり邪魔だ。
「君今舌打ちしたー?」
「………」
「今度は無視ですかー?♪んまあいいや♪そっちも仲良くしてねー」
「…無「あー!莉緒も仲良くするよねー♪」…ッチ」
眼鏡を掛けたこいつ。見た感じがり勉タイプに思える。…俺と真逆だと思ったが、本性が見えねぇな。
これ以上、こいつと一緒に居たくねぇ。
「…サボる」
あーまじでイライラすんだけど。
「え?莉緒」
「あんなやつほっといて仲良くしようぜ?」
「えっと…うん!仲良くしようね!じゃあまた後で!!」
「莉緒…か。邪魔だな」
後ろのほうで愛菜達の声が聞こえたが、どうでもいい。
はーっと深くため息を付き、屋上へと向かった。