お隣さんは同級生【番外編】


「ありがとうございました〜」


店内を出てハッとする。


…私の手には何とも可愛らしい、ショップ袋が握られていた。

白いエナメルで、赤い文字で“Abel”と書かれたそれ。



気付いた時にはもう遅い。


…買ってしまった。


なんで、あんな高い腕時計なんか買ってしまったんだろぉ…


…でも、腕時計自体は可愛いんだけど。


「はぁぁあぁぁ」


「アンタ何溜め息吐いてんのよ?」


その声で振り向けば、予想通りにまぁ、美菜がいたわけだけど。



「何その荷物…」


私は彼女の両手に思わず目が行った。


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