お隣さんは同級生【番外編】
「お前しつこいんだけど」
不意に聞こえてきた声。
ん?と思いながら、その声を辿って歩いていく。
あ…榎並柾樹じゃん。
ふと昨日の修平の話を思い出す。
“同じバイト”
中庭の一角、壁を背にもたれ掛かる榎並柾樹と…知らない女の子がいた。
話の内容は合宿の班がどうのってもので、榎並柾樹はひたすら面倒くさそうな顔をしてる。
「なんでダメなの?」と詰め寄る女の子が何故か、あの修平の女とダブって見える。
「…柾樹ぃ〜」
普段出さない声を出して、榎並柾樹に話し掛けた。
榎並柾樹は“おまえ誰だ”って顔で私を見ていたから、小さな声で“修平の彼女”と呟く。
それに納得したのか、榎並柾樹は目の前の女の子に“俺コイツに用があるから”と告げれば彼女は私を睨んで去って行った。