お隣さんは同級生【番外編】
「私酒井愛未。2年」
「…修平さんの彼女が俺に何の用…ですか」
「敬語いらない。愛未でいーよ。私も柾って呼ぶから」
「…はぁ?」
じっと私を見つめるその双眸には困惑の色が浮かんでいる。
榎並柾樹。
間近で初めて見た。
うん、背が高い。
私が小さいから見上げる形になる。
「うーん…まぁ…さ、とりあえず話聞いてくんない?」
「は?」
目を細めて私を見下ろす柾は、私を怪訝な顔をして見ている。
私は修平と共通の知り合いがいないから。
…なってもらおうじゃん。
この目の前のイケメンに。
私のスパイに。
中庭には私のほくそ笑んだ声が小さく響いた。