お隣さんは同級生【番外編】
私達の宿泊する旅館は人気があって、予約した時には飽き部屋がもう殆どなかった。
ロビーには大学生とか20代前半の人たちが結構いたから、多分若者に人気なんだろう。
「ようこそ当旅館如月にお越しくださいまして、誠にありがとうございます」
受付の人に丁寧に挨拶されて、対応に困ったけれど柾樹は至って普通に応対していた。
…すごいよね。
ぶっちゃけ私旅館とか来た事ないんだよね。
働いてる人はみんな着物着てるし、立ち居振る舞いがなんか優雅。
高そうな壺とか置いてるし…
ぶっちゃけ私って…場違い?
「…彩音?」
「…えっ…あ、うん、何?」
「…部屋行くぞ?」
気付けば柾樹は鍵を持って、怪訝せうな顔をして数メートル先に立っていた。
…部屋の案内は断ったらしい。
「…待って!」
私は小走りで柾樹の元へと行き、2人で部屋に向かった。