お隣さんは同級生【番外編】
街は結構な賑わいを見せていた。
浴衣姿で歩く人達もいれば、私服姿で歩く人達。
お土産屋さん以外にも、飲食店や露店が立ち並んで活気がある。
「ねー美菜達に何買う?」
並べられたお土産を見て呟く私。
こんなにあったら、迷っちゃうよねー?
まぁ見て回るのも楽しみの1つなんだけれど。
「…なんでもよくねぇ?」
柾樹は並べられたお土産を1つ手に取り、怠そうにそれを見やる。
…なんでもって酷くない!?
「もっと真剣に選んでよ」
むっとして、つい柾樹の顔を睨んでしまう。
柾樹は、はいはいって顔してお土産を選び出した。
「…これとかいんじゃねぇ?」
「…なにこれ?」
差し出されたピンクの箱を受け取って見る。
箱にはLoveMakingと書かれた―…
「入浴剤…?」
「まぁそんなトコ」
入浴剤かぁ。温泉街だから丁度いいよね…?
箱にも身体が潤おうって書いてあるし。
柾樹がどこか含み笑いなのを不思議に思いながらカゴにそれを入れた。