ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜

見えない優しさ

いつの間にか、海風は止んでいた。


だけど、砂浜に座り込んで泣き崩れていたあたしは、まだちっとも動けないままで……。


夕陽が海に吸い込まれそうになっている事すら、気付いていなかった。


瞼を閉じても開いても、考えるのは雪ちゃんの事ばかり。


さっきまでこの場にいた彼の首に、お揃いのネックレスは掛かっていなかった。


それは、雪ちゃんの中ではあたし達はもう終わりを迎えたんだって事を、どんな言葉よりも雄弁に語っていて……。


去っていく彼が、全く知らない人みたいに思えたんだ──。


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