ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
お兄ちゃんに、本当の事は言えない。


自分自身がまだ状況を把握する事も出来ていないのに、さっきの事を話してしまえば嫌でも認めるしか無くなってしまいそうだったから……。


何よりも、あたしが雪ちゃんから別れを告げられた事を、お兄ちゃんが知ったら……。


雪ちゃんとお兄ちゃんが喧嘩になってしまうんじゃないか、って思ったから。


だけど……。


すぐに笑顔を作って『何でもない』って言える程、あたしは強くない。


だから、お兄ちゃんに立ち上がるように促されるまでのしばらくの間、ただただ俯いたまま泣き続けていた。


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