ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
昨日、雪ちゃんと電話で話したお兄ちゃんは、あたし達の間に何があったのかは知らないみたい。


昨夜も同じ事を訊かれたけど、頑なに沈黙を貫いた。


「なぁ、渚……」


そして今も、昨夜と全く同じ態度を取るあたしに、お兄ちゃんが困惑したように深いため息をつく。


「無理に聞き出すつもりはないけど、渚がそんな顔してる限り、母さんも親父も心配するぞ……。もちろん、俺もな……」


真摯な表情で掛けられた言葉に、何だか申し訳ない気持ちでいっぱいになって……。


あたしは、そんな気持ちを隠すように俯いた。


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