ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「雪緒の事はもう諦めろ」


キッパリと言い放たれた言葉に、目を大きく見開く。


その声がすごく冷たく聞こえたのは、その内容が信じたくない事だったからなのか……。


それとも本当に冷たい声だったのか、あたしにはよくわからなかった。


「なんっ……で……?」


言葉と同時に溢れ出した涙が、頬を伝ってポロポロと零れ落ちていく。


お兄ちゃんは険しい表情をしながら、息をゆっくりと吐いた。


「とにかく……もう、雪緒の事は諦めろ」


そしてあたしの問いには答えずに、さっきと同じ事を言い放った。


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