ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
目の前にいるお兄ちゃんの胸元を掴んで、必死に訴える。


「何で……?」


拳でお兄ちゃんの胸板を叩いても上手く力が入らなくて、ポスッとマヌケな音を立てるだけ。


「ねぇっ……!どうして、そんな酷い事言うのっ!?」


それでも泣きながら、大声でお兄ちゃんを責め立てたけど……。


お兄ちゃんは黙っているだけで、言い返そうともしない。


それが虚しくて、お兄ちゃんに突き付けられた言葉が痛い。


「雪ちゃんに……好きな人が出来たから……?」


心の中がグチャグチャのまま、震える声で訊いた。


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