ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「俺は、雪緒から別れた理由までは聞いてないよ。ただ、『渚とはもう付き合えない』って言われただけだから」


お兄ちゃんの落ち着いた口調に、どん底まで突き落とされた気さえする。


雪ちゃんの言葉を隠す事無く伝えたお兄ちゃんは、きっと本当にあたしが彼の事を諦める事を望んでいるように思えたから…。


「本当に……雪ちゃんがそう言ったの……?」


「……あぁ」


少しだけ間を置いてから頷いたお兄ちゃんに、あたしは絶望感に包まれて……。


僅かな力だけで掴んでいたお兄ちゃんの胸元から、ゆっくりと手を離した。


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