ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
涙がポロポロと流れ落ちていく。


止まる事なく次々と溢れる涙は、まるで決壊してしまったダムのようで……。


制御する事も出来ずに、ただ自然と出て来るそれを流し続けるしか無かった。


お兄ちゃんは、そんなあたしを痛々しそうな表情で見つめていたけど……。


程なくして、静かに部屋から出て行った。


視界に映る世界は、色を失くしたように淀んで見える。


俯いて泣き続けるあたしの涙が、部屋に置き去りにされたウサギのリンゴを濡らして……。


そっと寄り添う二羽のウサギも、あたしと一緒に泣いているように見えた──。


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