ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「嘘……でしょう……?」


息を潜めて耳を澄ませるあたしに届いたのは、お母さんの震える声。


明らかな動揺に感化されるように、胸の奥が騒ぎ出す。


正体のわからない“何か”に包まれる心が、言葉には出来ない程の不安を生み出した。


「こんな嘘ついて……何の意味があるんだよ……」


次に聞こえて来たのは、まるでやり場の無い感情を抑えているようなお兄ちゃんの声。


心臓が、大きく跳ね出す。


ドクンドクンと脈打つ心音は大きくなる一方で、心臓が口から飛び出してしまうんじゃないかと思った。


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