ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「渚には……言ったのか?」


今度は、静かに話したお父さんの声が聞こえて来たけど……。


自分の名前が出て来た事によって、それを理解するよりも先に心臓がバクバクと鳴り始めた。


「言ってない……」


飛び上がるように動く心臓は、今にもあたしの体を突き破ってしまいそう。


よくわからない緊張が込み上げたかと思うと、冷や汗がゆっくりと背中を伝った。


この雰囲気から、“いい話”じゃない事は明確だった。


だけど……。


逃げ出したいと思う反面、どうしても続きを聞かなければいけない気がして動けなかった。


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