ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「どっちにしても、渚と話す事はもう何もないよ」


雪ちゃんは、あくまであたしの事を突き放すつもりみたい。


「近いうちに引っ越すつもりだし、そうなればもう会う事もないだろうから」


彼の声はいつもと同じなのに、その口調は酷く淡々としている。


「ど……して……」


ポロポロと流れる涙で濡れた頬を拭って訊けば、雪ちゃんが左手で自分のうなじに触れた。


「言っただろ、『他に好きな人が出来た』って……。俺は確かに病気だけど、別にそれを理由に別れを切り出した訳じゃない。渚と一緒にいるのが疲れたからだよ」


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