ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「渚……」


俯いたあたしを呼んだのは、あの優しくて穏やかな声。


こんな時でも愛おしさを感じて、あたしは頭で考えるよりも先に顔を上げた。


目が合った雪ちゃんは、いつもと変わらない優しい笑みを浮かべていて……。


その表情に、あたしの心は自然と安堵感を抱く。


だけど──。


「渚」


それはほんの一瞬の事で、雪ちゃんはすぐに厳しい表情になった。


そして、彼は眉間にシワを刻んで、ゆっくりと口を開いた。


「“さよなら”だよ、渚」


雪ちゃんの声が、やけに鮮明に響いた。


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