ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
お兄ちゃんが呆れたように発した言葉は、何一つ間違ってはいない。


元々その事を自覚しているあたしは、素直に小さく頷いた。


「俺はずっとお前達を見て来たから、渚の気持ちもある程度はわかってるつもりだ。でもな……」


ギシリとベッドが軋んで、あたしの頭を撫でていたお兄ちゃんの手に力がこもった。


「雪緒の気持ちは、もう変わらねぇよ……」


冷たい事を言うお兄ちゃんに、声を荒げてしまいそうになる。


だけど……。


残酷な現実を言葉にしたお兄ちゃんの手が優しくて、やっぱりそんな事は出来なかった。


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