ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「雪ちゃんと……何を話したの……?」


掠れた声で訊けば、あたしの頭を撫でていたお兄ちゃんの手が止まった。


途端に訪れた沈黙の中、あたしはただお兄ちゃんからの言葉を待つ。


だけど……。


しばらく待っても、その答えどころか、たったの一言すら返って来なかった。


少しだけ顔を動かして、視線をしっかりとお兄ちゃんに移す。


すると、ずっとあたしを見ていたらしいお兄ちゃんと目が合って──。


「……ねぇ、一体何を隠してるの?」


その直後に頭に浮かんだ疑問を、考えるよりも先に口にしていた。


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