ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「何よ、それ」


眉をしかめた真保が、あたしを見る。


「全然笑えない冗談なんだけど」


彼女は呆れた顔をしているけど、あたしは至って真剣だった。


「あたしだって、笑えないよ……」


「渚が言ったんでしょ」


「雪ちゃんがそう言ったんだもんっ!!」


「え……?」


声を荒げたあたしに、真保がキョトンとする。


「ゆっ、雪ちゃんが……『他に好きな人が出来た』って……言っ……!」


止まり掛けていた涙がまた頬を伝ったけど、今はもうそんな事は全く気にならなかった。


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