ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
怪訝な顔で考え込むようにしていた真保が、程なくしてハッとしたように寄せていた眉の力を抜いた。


そんな彼女を見て、何か心当たりがあるんだって確信する。


同時に、いつもの優しい笑顔で真保を見つめる雪ちゃんを、想像してしまった。


嫉妬が混じったどす黒い気持ちが、あたしの中でグルグルと回る。


汚い自分を曝け出すのは嫌だったけど、それ以上に何も訊かずにはいられなくて──。


「真保は……雪ちゃんに『好き』って告われたの……?」


小さな声で、だけどやけに冷静な口調でそう尋ねた。


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