ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
信じたくない現実を突き付けられるのは、あまりにも過酷だと思う。


痛む胸が張り裂けそうなくらいに苦しくて、もう何も聞きたくない。


「でもね……」


また現実から逃げようとしていたあたしの耳に、真保の声が優しく響いた。


「雪緒君、そんな事言いながら、こんな物持って来たんだよ」


差し出されたのは、コンビニのビニール袋。


真保の目配せに従うように受け取って、中を覗いた。


そこに入っていたのは、あたしの好きなあのプリンが二個。


あたしは、無言のまま真保に視線を戻した。


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