ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜

見落としていた欠片

その夜、数日振りにまともな食事を口にした。


そうは言ってもまだ食欲が無くて、お味噌汁を半分程飲むだけで精一杯だったけど……。


両親は、あたしが少しでも食べた事に安心したみたいで、安堵の笑みを浮かべていた。


お兄ちゃんはどこか複雑な表情をしながらも、あたしと目が合うと微笑みを向けてくれた。


そんな家族に囲まれながら、温かい雰囲気に守られているあたしは本当に幸せなんだと、ふと思った。


同時に、そんな当たり前の事を改めて実感したあたしは、やっぱり周りに甘えてばかりなんだとも思った──。


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