ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「渚、俺はもう──」


「わかってる!でも、あたしの話を聞いて欲しいの!」


あたしの手を外そうとする事で拒絶を見せた雪ちゃんの声を、すかさず遮った。


いくら突然の事だったとは言え、やっぱり彼を相手に先手を取る事は抱き着いたくらいでは出来ないんだって、思い知らされてしまった。


「ちゃんと聞いて欲しいの……」


それでも、あたしはここで引き下がる訳にはいかない。


しばらくの間、雪ちゃんは黙っていたけど……。


仕方ないと言わんばかりにため息をついて、あたしの手から自分の手を退けた。


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