ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
ほんの少しだけ安心したせいか、自然と安堵のため息が漏れた。


抱き締め慣れているはずの体が知らない人のものみたいに思えるのは、さっきよりも海に浸かっている夕陽が寂しさを感じさせるせいなのかもしれない。


あたしはそれを払拭するように瞼を閉じた後、腕にもう少しだけ力を込めてからゆっくりと目を開けた。


「あたしね……雪ちゃんの事は、雪ちゃんの家族と同じくらい知ってると思うの……」


震えそうな声で零した言葉達が、潮騒に奪われていく。


そんな雰囲気に不安を覚えながらも、続きを話す為に口を開いた。


< 195 / 500 >

この作品をシェア

pagetop