ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「雪ちゃんはね、休みの日の朝にはカフェオレを飲むの。靴を履く時は左足からで、冬は寝る時に靴下を履くの。後……器用なのに、蝶々結びが苦手なの」


あたしの言葉が、ちゃんと雪ちゃんに届いているのかわからなくて……。


口では平静を装っているのに、心の中は不安でいっぱいだった。


それでも本題に触れる為に、次の言葉を声に出す。


「それからね……嘘をつくのが下手で、嘘をつく時は絶対に左手でうなじを触っちゃうの……」


そう告げた時、雪ちゃんの体がピクリと動いた。


そして、彼は目を見開きながら振り返った。


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