ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「雪ちゃん……」


名前を呼べば溢れて来るのは、雪ちゃんへの強い想い。


だけど、今はその言葉を押し込めて、違う台詞を紡ぐ。


「雪ちゃん、守ってくれてありがとう……」


ゆっくりと零すと、雪ちゃんの体が小さく揺れた。


「あたしを守ってくれる為に嘘をついてくれて、ありがとう……」


震えそうになる声を絞り出す度に、喉の奥から熱が込み上げて来る。


それを堪えるだけで精一杯になりそうなあたしは、やっぱりすごく心が弱いのかもしれないけど……。


あたしだって、雪ちゃんを守りたいから。


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