ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
胸の奥が苦しいのは、別れを告げられてしまったあたしよりも、別れを告げた雪ちゃんの方がずっと傷付いている気がしたから……。


「そんな事……出来ないよっ……!」


涙を堪えながら告げると、彼が小さく頷いた。


「うん……」


一緒に落とされた同意とも取れる言葉に、目を見開く。


あたしの気持ちが伝わったんだと、安易な解釈をして……。


頭が状況を理解するよりも早く、安堵のため息が漏れた。


だけど──。


「でも、俺は……」


次に雪ちゃんが口にしたのは、拒絶をほのめかす言葉だった。


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