ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「俺だって、別れたくないに決まってるだろ!でも渚が泣くのは嫌だから……渚までつらい思いをする必要はないって思ったから……。だから、別れようと思ったのに……っ!」


あたしを抱き締めている雪ちゃんの声が、まるで泣いているみたいに震えていて……。


いつもの彼らしくない口調が、心に抱えている傷みの強さを物語る。


上手く言葉に出来ない感情と、あたしの心では抱え切れない程の苦しみが伝わって来て、更に溢れ出した涙が頬を伝い落ちた。


「バカ……」


「だって……あたしだって……っ、雪ちゃんを守りたいよ……」


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