ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
雪ちゃんの脳には、悪性の腫瘍があった。


頭痛や目眩、目の翳み等の全ての症状の原因となっていたそれは、検査を受けた時点で既に取り除けない程の大きさになっていて……。


苦しむ雪ちゃんを嘲笑うかのように、彼の脳の中でその存在を根付かせていた。


医者の見解では、『最初に頭痛を感じた時点でそれなりの大きさだったに違いない』との事だった。


そして……。


悲痛な表情をした医者によって、まだ若い雪ちゃんの内側でその悪魔が著しく成長をするのは、『医学的には珍しくない』とも付け加えられた──。


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