ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
それからどっぷり日が暮れるまで、雪ちゃんのスパルタ授業が終わる事は無かった。


途中で夕食を食べる為の休憩があった事が、唯一の救いだった。


それなのに……。


一緒に食べる事になった雪ちゃんが食事中にまで物理の問題を出して来たから、煮込みうどんが何度も喉に詰まりそうになった。


そんなあたし達を、両親はすごく微笑ましそうに見ていたけど……。


お兄ちゃんだけは、あたしにずっと同情の眼差しを向けていた。


何とも言えないこの複雑な気持ちは、雪ちゃんの性格をよく知っているお兄ちゃんとしか分かち合えないものだと思う──。


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