ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
無理矢理作られた訳じゃない柔らかい表情に、胸の奥がキュンとする。


雪ちゃんのこの笑顔がすごく好きなのに、こんな表情を見るのは何だか久しぶりな気がした。


あたしは、無意識のうちにベッドに腰掛けた彼に両腕を伸ばし、口を開いていた。


「雪ちゃん、ギュッてして」


ごく自然に出た、そんな言葉。


少し前までは口癖だったそれを口にしたのは、随分久しぶりだった。


そんなあたしに、雪ちゃんは一瞬だけキョトンとした表情を見せた後、フワリと笑った。


そして、彼は更に柔らかい微笑みで両腕を広げた。


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