ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「いい天気だね」


窓際で外を見つめていた雪ちゃんが、不意にポツリと零した。


残酷な現実に折れそうな心を持つあたしとは裏腹に、今日は気持ち良過ぎるくらいの晴天だった。


ポカポカと降り注ぐ陽射しは、冬が近付いているとは思えないくらいに心地好く、優しい雪ちゃんにどこか似ている。


「明日から十一月だとは思えないよね。こういうの、小春日和って言うんだよね?」


「うん。でも、渚がそんな事知ってるなんて珍しいね」


「……今日、真保が言ってた」


正直に答えると、雪ちゃんがクスクスと笑った。


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