ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「雪ちゃん、好き……」


潤んだままの瞳で雪ちゃんを見上げれば、彼が優しく微笑む。


「知ってるよ」


「じゃあ、もっとキスして……」


「……あんまり引っ付くと、俺の理性が飛ぶよ?」


「いいよ?」


「……ダメ。下におばさん達がいるし。それに渚は声が大きいから、後で俺が章太郎に殴られる」


冗談めかして言った雪ちゃんを睨むと、彼が小さなため息をついた。


「そんな顔しないでよ……。今日は、これで我慢しといて」


そして、少しだけ申し訳なさそうに眉を下げながら、唇に甘いキスを一つくれた──。


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