ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「えぇっ!!?」


雪ちゃんの言葉に思わず声を上げたあたしは、慌てて両手で口を塞いだ。


「げっ!」


目の前の襖が開いたのは、お兄ちゃんのそんな声が聞こえた直後──。


「な、渚っ……!おまっ、いつから聞いてた!?」


珍しく狼狽えるお兄ちゃんに、驚きを隠せないまま口を開く。


「お兄ちゃんって、真保が好きだったの!?」


「違っ……!いや、違わねぇけどっ!!あ〜っ、くそっ、雪緒のせいで渚にバレたじゃねぇか!」


お兄ちゃんは言い終わるよりも早く、雪ちゃんの方に体を戻した。


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