ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「渚……?」


ベッド脇にいるあたしを呼んだ雪ちゃんの顔を、笑みを浮かべて覗き込む。


「ここにいるよ?」


「ごめん……。俺、寝てたんだね……」


申し訳なさそうに眉を下げた雪ちゃんに、首を横に振った。


「薬が効いてるだけなんだから、謝らないで。それに、おばさんから聞いたけど、今日は検査に時間が掛かったんでしょ?あたしの事は気にしないで寝てて」


そう言って読んでいたパソコンの本を見せると、彼が小さく笑った。


「渚が自分から勉強してるなんて……。明日は雪が降るかもしれないね」


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