ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
つらそうにしながらも笑顔を見せてくれる事が、どうしようもなく嬉しい。


そんな気持ちを抱えている事を気付かれないように、あたしはいつものように唇を尖らせた。


「あたしだって、たまには勉強するもん!それにこの辺りって冬でも暖かいし、雪なんて降らないよ〜」


「そうだね……」


そう呟いた雪ちゃんがどこか寂しげに見えて、不安を覚える。


そんなあたしの直感的な感情を肯定するように、おもむろに深呼吸をした彼が真剣な表情になった。


「渚……」


低く呼ばれた名前に、心臓がドキリと跳ね上がった。


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