ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「ちゃんと……前に進むよ……」


あたしの声が震えている事に、雪ちゃんなら気付いている。


だけど、彼が笑っているから、あたしも必死に笑みを浮かべる。


「でもね……」


頬の上で重なる手の温もりを感じながら、雪ちゃんを見つめたまま続けた。


「雪が降ったら、雪ちゃんの事を思い出すよ……」


『思い出しちゃいけないよ』


雪ちゃんはきっと、選んだ言葉達に隠して、暗にそう言っていたんだ。


あまりにも優し過ぎて、あまりにも残酷過ぎて……。


そして、受け入れるのは難し過ぎる。


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