ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「私は父親として、渚の意志を尊重してやりたいと思います」


雪ちゃんの両親を真っ直ぐ見つめたお父さんが、穏やかな口調で言った。


「いや、でもそんな……」


「結婚なんて……」


おじさんとおばさんは、口々に戸惑いを見せる。


「雪緒も渚ちゃんもまだ若いし、結婚なんてそんな簡単には……」


「それに、雪緒は……」


病気の事をほのめかしたおばさんを遮ろうと、咄嗟に口を開いた時──。


「俺も賛成です」


お兄ちゃんがキッパリと言い放った後、おじさんとおばさんを交互に見据えた。


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