ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「渚だけじゃなくて……雪緒も俺も、確かにまだ若いです。だけど……」


真剣な表情のお兄ちゃんが、慎重に言葉を選んでいる事がわかる。


「親達が思ってる程、子どもでもないんですよ。壁にぶつかったら、それを乗り越える為に必死に悩むし……」


いつの間にか、雪ちゃんは眉間にシワを寄せていた。


その表情から読み取れるのは、あたしのワガママに対する否定的な感情。


「人を、真剣に愛する事だって出来るんです」


それでも、お兄ちゃんの話に耳を傾けている雪ちゃんに、小さな小さな希望くらいはある気がした。


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