ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「俺には、『渚の真っ直ぐな気持ちがよくわかる』なんて言えない。だけど、雪緒への想いの結果が“結婚”なんだと思うんです。だから……」


お兄ちゃんは息を小さく吐いた後、穏やかに微笑んだ。


「雪緒が渚の気持ちに応えてくれるなら、俺は二人の結婚を応援したいと思います」


柔らかな優しさに、胸の奥が熱くなる。


お父さんもお兄ちゃんも、いつもあたしの事を子ども扱いしているのに……。


こんなにも無謀な事を口にしたあたしを、ちゃんと大人として見てくれている。


それが嬉しくて、少しだけ泣きそうになってしまった。


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