ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「雪緒はどうしたいの?」


おばさんの質問に、雪ちゃんは眉間に益々深いシワを刻んだ。


「……そんなの、決まってるだろ」


次に紡がれる答えを、あたしはもうわかっている。


「結婚なんて……出来る訳がない……」


予想通りの返事をくれた雪ちゃんに、あたしは胸の奥がほんの少しだけ痛むのを感じて……。


同時に、あまりにも彼らしい答えに、何だか可笑しくなった。


「雪ちゃん」


雪ちゃんは、やっぱり“あたしの大好きな雪ちゃん”で……。


それを感じた今、胸に抱いていた迷いが無くなった。


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