ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
下手くそな笑顔を見せるあたしに、雪ちゃんは優しい微笑みを向けてくれる。


ただそれだけの事なのに、言葉に出来ない程の幸せを感じた。


「俺も、渚の事が好きだよ」


表情と同じ優しい声音と、何よりも嬉しい愛の言葉。


何度も聞いたはずだったのに、今までで一番心に染みた。


そんなあたしを余所に、不意に真剣な表情になった雪ちゃんが息を小さく吐いた。


「未熟者ですが、渚を想う気持ちは誰にも負けません。だから、渚と結婚させて下さい」


そして、彼は両親達を見つめながら言った後、頭を深く下げた。


< 356 / 500 >

この作品をシェア

pagetop